イタクラノート

皆さん、こんにちは。今年4月から院長を務めることになりました渡邉です。渡邉3.jpeg

当院で働き始めてちょうど10年になる節目にこの重責を託され、大変身の引き締まる思いであります。前院長である板倉先生とともに全スタッフが大切に築き上げてきたこのクリニックを、この地域にこれからも残していけるよう、そして地域の皆様に安心、信頼して受診していただけるよう努力して参ります。

さて、下のイメージをご覧ください。これまで当院ホームページでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。1本の木が枝分かれし、ゆるやかに広がり、その周りには大きさや色の異なるいくつもの果実が実っています。患者さんやそのご家族、スタッフ同士のつながりを大事にしたいと、前院長の思いが込められています。

そこで自分が当院を引き継ぐにあたり、この木をどうしていきたいか考えました。もちろん当院が大切してきた根幹を崩すつもりはありません。かといって、枝葉を伸ばして受診患者さんを増やすことにも限界があります。それよりも、地中の根をしっかりこの地に張り巡らせ、これから世の中の情勢がどのように変化しても倒れないよう、そして周囲の関連組織とつながることで支援の力を大きくし、皆様がより安全に安心して出産や育児、暮らしができるよう体制を整えていきたいと考えています。

話は少し逸れますが、森で育つ樹木の根は、菌糸を介して地中で互いにつながり、森の巨大なネットワークを作っているということをご存じでしょうか。菌糸とは、カビやキノコなどの菌類同士が集まって糸状の構造を作ったものです。それを介して樹木同士が互いに栄養の受け渡しを行い、ともに健常に成長できるよう協力し合っているのです。木の実から芽吹いた若木もそのネットワークに入り、周囲の樹木から養分をもらって成長することができます。まるで子育てのようですよね。ここに我々人間も参考にするべき環境づくりのヒントが隠されていると考えます。

日々の診療の中で様々な問題を抱えた患者さんに出会います。そこでふと出たSOSも見逃さずに寄り添い、状態を良くしていけるよう当院スタッフとともに努力して参ります。しかし、当院だけで出来ることは限られてきます。そこで周囲の関連組織と力を合わせれば、より支援の幅は広がり、つながりのある途切れない支援を実現させることが期待できます。特に出産や育児はご両親だけで頑張るものではありません。重要なのは地域みんなの「つながり」と「助け合い」です。妊婦さんも婦人科患者さんも「ここが安心、安全である」と心から思えれば、心身ともに充実した出産や育児、暮らしができるのではないかと考えます。まだ検討段階ではありますが、実際に保健所や精神科、小児科、若者の支援組織などに出向き話し合いを進めています。

そしていつか、冷たい雨の日のように、皆さんが辛い状況になったときにも、板倉レディースクリニックという木のもとで雨宿りし、ほっと安心していただけるような存在になれればと思っています。

今後もスタッフ一同とともに精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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2025年4月