皆さん、こんにちは。皆さんは年末・年始をどのように過ごしましたか?
年末に僕がリビングのTVで「You Tube」を見ていた時のことです。帰省していた息子が「お父さん、よく歴史の動画を見ているけど、それって面白いの?」と話しかけてきました。僕はちょっと考えて、「歴史には人間の本質があるんだ、過去の失敗から学ぶことができる」というようなことを答えました。でも彼にはそれでは伝わらなかったな、と思います。もう少し具体的に説明したほうが良かったなと思いました。そこで今回は、歴史を学ぶ、僕流の楽しみ方を皆さんにも紹介したいと思います。
例えばスピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』を観てナチスドイツはなぜこんな非道なことしたんだ、と憤りを感じたとします。怒りの感情が冷めないうちに、まずはナチスドイツのホロコースト(大量虐殺)について調べてみます。問題の本質はどこにあるのか、まずは全体像をイメージできるようにしたい。僕はYou Tubeの動画をよく見ます。世界史講師の解説は理解しやすいですし、旅系ユーチューバーの動画はその人独自の視点があって面白いです。
動画視聴などで全体のイメージをつかんだら次には本を読んで問題を深堀します。Amazonなどの書評を参考に面白そうな本を2-3冊選びます。You Tubeの動画を見るのはソファーに寝転んで気楽に見られますが、本を読むときには少しの気合が必要です。動画は自家用車のようなもので自分の行きたいところ(知りたいところ)まで、すぐに運んでくれます。一方で読書は散歩のようなもので車では見逃してしまう小さな変化にも気づけたりします。散歩も読書も自分のペースで、ゆっくりと時に一休みし思索するができます。「著者はこういっているけど本当にそうだろうか 、僕が著者の意見に賛同できない理由はどうしてなんだろう?」、これは最近になって気づいたことですが、本を読むという行為は著者との対話であると同時に自分自身との対話でもあると思います。日々の忙しい中で読書は自分と向き合う貴重な時間です。
動画視聴で全体をイメージし、読書で本質を深堀したら、最後に実際にそこに行ってみたい。2019年9月、渡邉先生に留守を託し思い切ってポーランドのアウシュビッツに行ってきました。ただただ広い第2収容所を歩いて、そこで感じたことがあります。「ホロコーストは狂人ヒットラーだけのせいではない、それを支援し搾取の利益を享受したナチス党員、そして大勢のドイツ国民がいた。さらにナチスの横暴を他人事として見過ごしていたフランスやイギリスにも責任がある。」それは本を読んでも理解できることなのですが、ここでは単なる理解ではなく、自分の肌感覚として実感できたということが僕には画期的なことでした。
ホロコーストはもう80年前のことですが、2026年の現代にも大きな教訓になっています。この1月3日、アメリカ合衆国の軍隊が主権国家であるベネズエラのマドゥロ大統領を拉致しました。とんでもない事件です。トランプ大統領を非難する声があるのは当然と思いますが、一方でこの独裁者に対して国際社会が何の有効な対策も打てなかったのも現実です。アウシュビッツ博物館の1室にひっそりと下記の記述が展示されていました。
"It happened, therefore it can happen again : this is the core of what we have to say"
冒頭の大学生の息子ですが彼は昨年大学に入学しました。「授業がくそつまらない」とぼやいていますが部活や友人との飲み会を楽しんでいる様子です。彼がまだ小学生のころ旅行先でよく博物館に連れて行きました。当然ですが彼はとてもつまらなそうにしていました。そんな彼に「歴史って、面白いの?」と聞かれたとき、僕はちょっと身構えました。ちゃんと答えたい、と思ったのです。彼に「歴史を学ぶべきだ」とはいいませんが、いつか歴史に興味をもって歴史を学ぶ楽しさを知ってもらえれば嬉しい、と思います。
板倉憲二
2019年9月、アウシュビッツ第2収容所を歩く
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